てれ

地上の星たちのてれのレビュー・感想・評価

地上の星たち(2007年製作の映画)
3.9
いつか観ようと思っていたところ滑り込み観賞になってしまった。

誰にも思いつかないようなユニークな発想をもつイシャーンに、重くのしかかる「勉強ができないダメな子」の烙印。周りの大人は彼が識字障害を抱えてることは気づかない、なぜならそれを知らないから。無知って怖い。一方的に閉め出されて絵という唯一の憩いさえも奪われてしまったイシャーンの目を見てそう思った。あまりにも辛い。子供は助けを求められないのに。
またところどころに見られるインドの競争社会ぶり。学校では点取りのための授業。なんだか日本と似てるなぁと思った。

失意のイシャーンが出会った、ちょっぴり強烈で陽気な美術のニクンブ先生。彼のバンバンボーレー!の歌はきっとうまくいくのAll iz wellのお気楽さと通じるものがあって超楽しい(こっちの方が先なんだけどね!)
そして全てに気づいたニクンブ先生が、イシャーンを想像力の世界に、絵の世界に連れ戻してあげる過程は本当に泣いてしまった。
地上の星たち、全ての子供は輝いているということ。たまらなくいとおしい存在なのだと気づかせてくれる。

ラストシーンがバジュランギおじさんのもとになったと聞いたので意識しながら観てた。やっぱりあの演出は魂の祝福って感じがするよね。

配信、切実に終わんないでほしい。 後世に遺したい傑作だから。
てれ

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