さわだにわか

クリスマス黙示録のさわだにわかのレビュー・感想・評価

クリスマス黙示録(1996年製作の映画)
3.0
黙示録というから日米ヤクザの抗争でもやるのかと思ったら『セブン』と『羊たちの沈黙』をパクって犯人は爆弾魔なので気持ち『スピード』風味というサイコサスペンス、監督のキオニ・ワックスマンは後に後期セガール映画の佳作を何本も手掛けることになる俺のオキニのジャンル映画職人なので期待したが、あの頃キオニは若かった。演出力不足は明瞭で、真相は単純なのだがそのわりには入り組んだ人間関係もあって、なかなか盛り上がらない。複数のキャラクターのドラマを同時進行させるキオニの群像劇的なスタイルは後期セガール映画では映えたが、この頃はまだ試行錯誤の時期だったんだろう。

面白い映画では別にないのだが、ただ天海祐希がめちゃくちゃカッコイイ。英語芝居も佇まいも最高。キオニの演出はその魅力をちっとも引き出してはいないのだが、引き出されないでこのカッコよさなので天海祐希はガチの本物だ。なぜ天海祐希はここからハリウッドに羽ばたけなかったのか…今の世にデビューしていればなんかあれだろうジョン・ウィックとかああいうの作ってる人たちから引く手あまみ…じゃなかった引く手あまたであっただろうに…いや、今からでも全然ホントに全然遅くないですから、英語芝居ができてアクションもできることを『黒の天使 vol.2』で証明済みの天海さんはハリウッドに飛んでください…!日本の狭くて小さい映画界でその不世出の才能を浪費しないで…!

ちなみにVHSの巻末予告編集には幸福の科学の初期映画『ヘルメス』の予告編が入っており、カルト映画マニア必見。
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