国分蓮

私たちのハァハァの国分蓮のレビュー・感想・評価

私たちのハァハァ(2015年製作の映画)
3.8
《手持ちカメラによる撮りあいっこがドキュメンタリーらしさを引き立てる。終始チェックするツイッター、まとめサイト、静かな高速バス内のスマホでのグループLINEが現代社会を象徴してて面白い。ケツ掻くな。笑》

身の回りにこの映画の話をすると、どうしても二言目に「誰が出てるAV?」なんてテンプレ化した質問が返ってきます。
ちょっと紹介しづらいタイトルであるのは否めないですが、内容はとても面白かったです。
クリープハイプのファンを豪語するJK4人組が福岡から東京のライブ会場まで家出の旅を敢行するロードムービーです。
このJK4人組がなんとも味のある顔立ちで良いです。そこらへんにいる普通の人っぽい感じ。仮に出演者が全員美女だったらヤラセ感が出過ぎてつまらなかったと思います。

で、この4人組が勢いで家出するんですが、道中路上で寝たり、ふいに乗ってたチャリ捨てたり、クラブ行ってバカ騒ぎしたり、当面の活動費を稼ごうとキャバクラに体験入店したりと奔放で後先考えないんです。それがまた青春って感じで良い。
若さ、若さってなんだ?振り向かないことさ♪

学校や塾や進路などのしがらみに「(家出してライブに向かうことに対して)こっちが現実でしょ。」と言い合ったりして、正直この4人がめちゃくちゃ羨ましいです。現実逃避って言えばそうなんですが、彼女たちには意味のある現実逃避なんでしょう、青春そのものです。作り物であるのにここまで高校時代を懐かしく思えたのは、「桐島、部活やめるってよ」以来です。
あるいはゲームで言うと「ぼくの夏休み」以来。
同年代が見るより、社会人が見ると影響力がデカい気がします。
実際自分も「田んぼに行きたいなぁ」「リアル、チャリできた、ってか」「ヒッチハイクとか都市伝説だわ」などと、視聴中よくわからないぼやきを繰り返していました。

この4人の友情がいつまでも続くことを祈って。
同級生に会いたくなる映画です。この夏オススメの逸品!
国分蓮

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