猿山リム

私たちのハァハァの猿山リムのレビュー・感想・評価

私たちのハァハァ(2015年製作の映画)
1.2
 知り合いに姉の結婚式に出席するために里帰りしなくちゃならいけれど、金が無い・・・と、大阪から山口まで自転車で向かった人がいる。
 まぁその倍ぐらいの映画。
 国土交通省によると今月は自転車月間らしいので自転車映画を連続鑑賞。

 人気バンド「クリープハイプ」・・・・現実にも存在するバンドらしい・・・人気かどうかは知らんが・・・の、熱狂的ファンの北九州の女子高生たちが、ライブの出待ちで交わせた会話「東京(のライブ)にも来てくださいね」を真に受けて、自転車で向かう話。

 男4人なら全員バカってのもわかるけれど、女の子が4人いて現実的な考えをするメンツが一人もいないってのもなぁ。
 ・・・や。まぁたまたまそんなこともあるかもしれないけれど、作品(映画)的にもどうよと思わないでもない。

 極端に、騙されたりなんやかんやで酷い目に合うでもなく、コメディチックに何でもなく楽勝に行くでもない。
 そのあたりにリアルを求めているかというと、そっち方向から見ても疑問符がわく。
 
 やりたいことはわからないでもないが、何がやりたいのかわからない映画。
 勢いだけで撮った「自主製作映画」が一番近い気がする。

 DVDの特典で、僅かに後日譚的なものが語られる。
 ここだけが、完成品というのが私の印象。

 そして、特典ディスク。
 メイキングがちょっと変わっていて、役者もこなす助監督に焦点を当てたドキュメント風を装っていて、雑なメイキング的な風景の中に助監督の活躍や会話を多く扱っている。
 一風変わった形は面白いし、この助監督を注目している映画ファンにはしびれるのかもしれないが・・・楽屋落ち感も・・・。
 どれも同じ「メイキング」は見ていてつらいが、変わっていればよいというものでもないのかな。

 映画としてしっかり組み立てるか、ドキュメント的にリアルに寄せるか・・・もっと芯が通っていたら面白かった気がする。
 高校生の「若さ」≒「馬鹿さ」を踏まえても、もやっとした印象だった。
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