上海十月

家族はつらいよの上海十月のレビュー・感想・評価

家族はつらいよ(2016年製作の映画)
2.0
山田洋次の久し振りのコメディだが厳しい。
小さなお家」で新たな境地を開拓しそうだと思った山田洋次は、会社の要請なのかコメディを作ることに。作家性が強い人ではないけれども「同胞」「故郷」とかで日本の発展から取り残された人を独自の視点から映画にしている監督でもある。なので今更コメディをまた撮るというのは、予告編を観ながら個人的に違和感を感じましたね。実際、観てみるとなんか、家が小さいので寅さんのように大きな構えの団子屋みたいな広がりがある絵にならない。そして、各配役に今までの寅さんの脇役が言いそうなセリフを与えるので、多分本当はあの俳優に言わせたいのだろうなぁと思う。主演は、橋爪功で上手い俳優さんですが、面白くするというタイプではない。やっぱり渥美清なんだろう。そして、話をまとめるのに小津安二郎の「東京物語」を見せるのだが、映画館でなく寝室のDVDというのが現代性があると言えるが、悲しい気分にさせられる。また主人公が「東京物語」見そうでないのが、また違和感を感じる。この続編を作るということが報道されている。多分後進に、なんとかホームドラマ映画の系譜を引き継いで欲しいという願いではないかと感じますね。
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