千年女優

セッションの千年女優のレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
4.5
グレートなジャズドラマーを夢目見てアメリカで最高峰の音楽学校シェイファー音楽院へと入学したアンドリュー・ニューマン。同行最高の指揮者とも名高いテレンス・フレッチャーに認められて個人レッスンを受けることとなった彼が、罵詈雑言に暴力すら辞さない氏の強烈な指導に反発するようにドラムに打ち込む様を描くドラマ映画です。

若手から順調なキャリアを積むデイミアン・チャゼルが監督として脚光を浴びるきっかけになった、自身も高校時代に打ち込んだというジャズ・ドラムのレッスンの経験を反映させた作品で、マイルズ・テラーとJ・K・シモンズの二人が演じる師弟による音楽以外のことは人格も品性も投げ捨てる強烈な掛け合いにみるみるうちに圧倒されます。

その様は師弟関係のような美しいセッションではなく、さながら音楽をフィールドとしたバトルで、迫り来る緊迫感があります。生き急ぐように早まるビートと足跡に、うねりだし歪む旋律とエモーション。音楽に全てを賭けるふたりの人間による、血がたぎるようなアンサンブルによるせめぎ合いに身悶えさせられる見所満載の音楽映画です。
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