わくわくさん

セッションのわくわくさんのネタバレレビュー・内容・結末

セッション(2014年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

痺れる映画でした

フレッチャーの貫禄が異次元すぎる
演じたJ.K.シモンズの凄味が圧巻だった
あれは演技とかじゃなくて、もっと深くて鋭い何かだった

フレッチャーに人間味があることがこの映画の良いところだと思う
この作品は絶対的に揺るがない狂った指導者をラスト9分でぶち抜く映画だと思うけど、
指導者のフレッチャーが冷徹な鬼でなく
かと言って音楽への熱量だけが凄まじい人間でもなく
人間臭い要素を大きく持ち合わせていることがストーリーを深くしている

敢えて因縁のある人をバンドに呼んだりとか、教え子の死を美談に作り変えるとか、コンサートで知らない曲を演奏させて恥をかかせるとか、
実力者とは思えない程、普通の人間またはそれ以下の思考に見える
それが、凄腕指導者とダイヤの原石というシンプルなストーリー構成を歪に深くしている

あとはサイドストーリーを含ませておいて全部無視した点も破壊力のあるギミックだなと
アンドリューの恋模様、家族の音楽軽視、密告者は誰なのか、アンドリューの今後、、、
最後の最後に説明が一切無い点が多すぎる
ただ、まったく不完全燃焼になることなく最高の切れ味を残しての幕切れ

最強に痺れる

圧巻でした