きりま

セッションのきりまのネタバレレビュー・内容・結末

セッション(2014年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

セッション

長くない映画だけど、重くて暗くて、観るのに時間がかかった。でも観終わってみればスッキリしていて、もう一回観るときにはもっと清々しい気持ちで気楽に観られると思う。
指導者と演奏者の関係を描き続ける1時間半。ドSの有名ジャズ演奏者兼指揮者のフレッチャー教授と出会ったアンドリュー・ニーマン。人権を否定されるレベルの罵倒を受けながら、負けじと練習漬け。口下手で人間関係を上手く築けない彼にとっては、ドラムで表現することしか取り柄がない。そして、それを認めてくれようとしている教授に応えたい。
なにくそ精神でとにかく喰らいつく。はっきりとした「転」が訪れる中盤。ニーマンは演奏の直前に交通事故に遭う。血だらけのままスティックを握って舞台へ。これがきっかけで退学になり、教授とも疎遠になる。
偶然再開した教授は柔らかい雰囲気を出して、ニーマンを認め、優しく接してきた。それがまた彼のドラムへの意欲を再燃させる。
最後の舞台は2人の喧嘩。フレッチャー教授はやっぱりこの教え方しかできない。ニーマンはその教えられ方が合っている。それを無言のうちに通じ合わせる2人が、新なスターの誕生を予感させて、急に終わる。
教育者としては、被教育者との相性について改めて考えさせられた。教育のあり方、指導を受ける側の目線、それぞれの想い。改めて、「何が正解」というものはないのだと気付かされる作品だった。
「英語で最も危険な2語は”Good job”だ」フレッチャー
2014★★★★
きりま

きりま