HK33

セッションのHK33のネタバレレビュー・内容・結末

セッション(2014年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

凄まじい狂気・熱量・根性をスクリーンから撒き散らす映画

●そのほかの全てを投げ捨てるほどの狂気と熱量を乱暴にジャズに注ぎ込む話
●個人的には部活に打ち込んでいた日々を思い出した。ほかの生徒が当て馬的に持ち上げられて競争心を煽られるところ、ボコボコにされても何クソ魂・負けん気・根性で踏ん張るところ、何かの表紙にポキっと心が折れてしまいそうなところ(but the true man would never be discouraged)とか、とても共感性が高かった
●めちゃくちゃ昭和的かもしれないが、Fletcher先生の言う、far beyond expectationsの極地に達するにはこういう他人からの暴力的な働きかけ(物理的に殴ったりする必要はない)が必要だというのは個人的にも納得する
●またそういう暴力的な働きかけに直面したとき、Andrewのように多少エモーショナルでも跳ねっ返りが強いやつほど成果を出すと言うのも事実だと思う。「疾風に勁草を知る」ということ
●カメラワークと演出が凄まじい、画面越しで狂気が伝わってくる。最後の演奏シーンは当然ながら、Andrewがクルマで事故るシーンなども見事。映画館で観るべき映画だった
●Fletcher先生がマシンガンのように高速、大量かつとんでもなく汚い言葉を浴びせるところで笑ってしまった
●結局AndrewもFletcher先生も、ジャズへの熱狂という一点のみで凄まじく共鳴しているだけで、お互いにやっていることは滅茶苦茶だし音楽以外のところでは何ら歩み寄っていないのが最早清々しい(彼女との状況も何も改善してないし)
●あと邦題はWhiplashのままで良かったと思う。劇中に出てくる曲名であり、"鞭打ち"という意味でもある。逆にSessionって何?

(ここまで滅茶苦茶なのは流石に極端だけど)私含めて日本人はちょっと細かいことを気にしすぎなのかもしれない、もっと個人としての狂気・熱量・根性を全面に出して生きていきたいと思った。
疾風に勁草を知る、というのは旧日本的に見えてグローバルスタンダードである
HK33

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