Ki64

セッションのKi64のネタバレレビュー・内容・結末

セッション(2014年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

鑑賞中は自分の感情がまるでジェットコースターのようで、鑑賞後ももう何も言葉がでない状態になった。
映画観てこうなるのは久しぶり。

フレッチャー先生のあの強烈な指導の緊張感がこっちまで伝わってくるんだよな。めちゃくちゃ見入ってしまう。
だからこそニコルとの青春シーンで一気に気が抜けるw休憩ポインツ。

バンド演奏ではやっぱりフィルインとソロの掛け合いシーンが楽しいし見応えある。ピアノとベースが好きすぎる。ウォーキングじゃないジャズベースカッコいいな。
ラストのワンショットは『プライベートライアン』のあのシーン的な迫力がありますね。

シモンズさんの指導もこのご時世では完全にパワハラモラハラの類っすね。普通に手も出してるしスタンダードに人格否定や侮辱の嵐。
シンバル投げた話を盲信して自分をそれに預けてる気がする。人間性ヤバいけど、キャラは立ってる。なんかの戦争映画でこういう人いたよね?

熱い、を通り越してやりすぎなんだよな色々と。事故に遭っても会場に駆けつけようとするアンドリューのそれがもう狂人のようだったが、同時に『そこまでになれるものを持ってるのが羨ましい』とも感じた。

観始める前は、厳しい教師と健気なドラマーの話かと思ってたから、終盤のフレッチャーのハメは完全に予想外だったし、このまま終わるのかと思いきや再度舞台に戻り全力演奏を見せつけるのもこれまた予想外だった。
怒涛の展開の中、『目玉をくり抜いてやる』とまで言っていたフレッチャーがアンドリューに指揮を取り始めたのは才能を認めたってことなんだろう。だよね?(不安)
互いに憎み合っていても音楽はそれを凌駕する素晴らしいものなのだ。ポカン顔の親父も含めてこれには私もにんまり。

親戚の集まりでのあの雰囲気も含め、駆け出しドラマーの栄光と挫折で分かりやすく展開しながらも怒涛の展開を繰り広げるラスト。
アンドリューがしっかり言い返すようになってくる辺りから胸が熱くなる。
血の滲むリハーサルと強烈で恐ろしいフレッチャー先生のキャラ。面白かったです。


ココまで打ち込めるもの、見つけたいっすね。
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