かめしゃん

セッションのかめしゃんのレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
5.0
メモ

・“If you dont have ability, You wind up playing a rock band.”「無能な奴はロックをやれ」と書かれたポスター

・芸術に対する殉教者たちの物語(勝手な解釈)

・まるでフルメタル・ジャケットの鬼軍曹のような罵倒 厳しい世界
・しかし、しっかり諦めさせるのも大事な仕事なのかも…
・将棋の奨励会(満21歳の誕生日までに初段、満26歳の誕生日を含むリーグ終了までに四段になれなかった場合は強制退会となる)

・小さな女の子に「将来、私のバンドにはいるかね」と愛想よく聞き、子どもとにこやかにハイタッチしたあと、
練習室に入るなり「クソ共!注目。早く座れ」のシーンで笑ってしまった

・「完璧な400(テンポ)を叩けるまでやる」の場面
ドラムが延々と聞こえ続ける中(しかも始まりの1小節目)、で他の楽器メンバーが休憩室で延々と待たされてるシーンで笑ってしまった
・しかし、3人のドラマーの手のひらは血で染まっている かなりキツいシーン 夜の9時から5時間で漸く合格が出て、他のメンバーと合同練習開始が午前2時

・みんな真剣だからこそシリアスの中にユーモアが効いて笑えたり面白いけど、人によってはリマインドで病むかもしれない フラッシュバックというか

・個人的所感
こういうのは、アメリカだから、見れる気がする 日本で同じことをやってるのを観てられるだろうか たぶん湿度が高くドメスティックになってしまう気がする あんまりこういう言い方は良くないが宝塚みたいな事になってしまうと思う ビジネスシーンでも個じゃなくて組織や集団になるほど危険である

・努力し続けることは美談に語られがちなんだが、それは本人が望んでいることだから、の論理でいくと危険である 
例え話、イチローは練習が苦じゃなかったしそれが生きていく上で実際的な必要性だけじゃなく精神的にも必要な人だったからあーいう風にやれた
イチローじゃない個なのに同じように他人にやらせようとしたってダメなんだ、参考にもならないレベルで間違ってしまうだろう(あの人にとって練習は呼吸することと同じ、若しくはドーパミンが出る程に単純に愉しいことだった)
・努力することは決して無駄じゃない しかし、途中で諦めてもよいことだと思う

そういう事を思った

ラストシーンの大舞台にケンカ別れした彼女が現れて… のお約束を蹴ったシナリオは自分は大きく評価したい

ちょい毒舌 芸術的な真価と商業的成功は必ずしも一致するとは限らなくて、自分は首にギプスをして16ビートを刻んでる有名ドラマーの人が、本作の主人公のような領域に辿り着いてるとはどうしても思えない あの人は優秀なビジネスマンだと思ってる自分は

総括
「憎悪を超えた領域で理解し得た、幸運な二人」
かめしゃん

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