かわなん

セッションのかわなんのレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
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思春期の3年間フレッチャーのような(フレッチャーより過激かも)顧問に音楽の指導を受けていた過去を思い出した。というか、自分も通ってきたシチュエーションばかりで、こういう常軌を逸した指導方法は万国共通なのだなと変なところで感心してしまった。

フレッチャーは音楽のプロではあるが、教育のプロではない。お金を払った観客がいるステージでアンドリューを嵌めようとするし、感情優先で、人としては最低だ。
でも一流の音楽家であることは確かで、過激な指導のおかげ(?)で上達を実感しているアンドリューが、自分の密告のせいであの人の音楽が終わったら、自分はどこを目指せばいいんだろう?あの人の音楽は終わってしまうのか?と、パワハラ指導の密告を渋る気持ちも痛いほど伝わった。

教育のプロは『上出来だ』で済ますだろう。そんな綺麗事で満足していたら現状で満足し技術も人並みで終わる。
音楽のみに矢印が向いているフレッチャーのような狂った人に挫折を与えてもらい、自分の限界を突破する機会がないと、到達しない域が芸術にはあると思う。
人間性を棄ててでも、狂わないと偉大なアーティストにはなれない。それを理解していないとあの暴言や指導に心が折れて挫折してしまうだろう。
最後のステージで『その域』を開拓したアンドリューはもう狂った側の人間だ。フレッチャーを見返せるくらいの偉人になれるといいな。それがフレッチャーに対する復讐になるでしょう。

以下乱文感想
・フレッチャーが練習室に入ってきた瞬間バンドメンバー全員姿勢正してて私もつられた笑
・ひとりひとり炙り出して犯人探し、やだね〜泣いちゃうのわかるわー
・いきなり3.4!でカウントされて吹けるかい 口の準備があるのよ。それでゲキ飛ばされるの納得いかないよね、フレッチャーは楽器の専攻なんなの?ピアノ?管楽器じゃないのか...
・教え子の死で涙を流すフレッチャー。珍しく感傷的な姿に今日は少し優しめな指導だろうかと期待するバンドメンバー。そんなわけないじゃんそれとこれは別!笑 いつも以上に飛ぶ暴言!ですよね〜。。
・どんなに感情的になっても楽器投げるのはダメ絶対
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