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セッションのseaのネタバレレビュー・内容・結末

セッション(2014年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

すごい。迫力がすごい。観終えた後呆気に取られてため息が出てしまうほどの作品に、人生でどれだけ出会えるのだろうか。

第三者として観ているこちらまでも圧を感じるほどの緊張感と熱量と狂気。目も耳も釘付けになり、一瞬も目が離せない映画だった。指導方法が正しいか正しくないかはわからない。それでも過激な練習を乗り越え最高の演奏ができたということ。まさか密告がバレていて、自分のステージでもあるあの場面で盛大に復讐しようなんて(しかも本番直前に告げて、別の曲を演奏するなんて!悪魔だ!)思いもしなかったけれど、そこからがまた圧巻なのだ。二人の闘争に踊らされている。ただ、前のシーンで挫折を経験し成功したチャーリーパーカーの話をしていたので、単なる復讐ではなく成功させるために挫折を味わせようとしたのでは、とも思った。

立場が逆転し、争っていた二人が次第に音楽でつながっていくラストの場面。これこそが映画の良さではと思うほど、二人の表情と演技が素晴らしい。見た目や出自に対して偏見ばかり言う口の悪い教師と、何が何でも自分が一番(才能が試される世界では大切なことかもしれないけれど)で、次第に音楽への熱が狂気に変わり教師に殴りかかる生徒。世間一般的に見ると決して良しとされない二人かもしれないけれど、だからこそ天才や素晴らしい芸術作品の数々が世に出ているのかもしれないと思った。二人の音楽に対する愛は同じなのだ。最後は鳥肌。まさか、フレッチャーがニーマンのシンバルを直すなんて…!生きている、と感じる瞬間だっただろうなと、勝手に思ってしまった。
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