べっこ

セッションのべっこのレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
3.3
激しくて身勝手なエゴとエゴのぶつかり合いが、音の中でほんの一瞬だけ調和して、その瞬間に伝説が生まれるんだと。そんなことを教えてくれたと思う。

アンドリューもフレッチャーも、他人のことなんて何も考えていない。ただ自分の能力をステージ上で誇示して、強く強く自分を世界に焼き付けたい。他人は自分を光らせるための小道具。それだけ。そんな激しいエゴを尖りに尖らせたものが、芸術家であってプロフェッショナルなんだと思う。
そんな二人が調和なんて本来するはずがないのです。ただ、鋼と鋼が火花を散らしあってぶつかり合った瞬間にほんの一瞬だけ融け合った。
この音楽が終わったら、もう二度と交わることはないのでしょう。


「ブラック部活」で話題の吹奏楽部に重なるものがありましたね。ぼくもいま思えば中々の軍隊系吹奏楽部に入っていました。
学年関係なしのオーディション。指揮者の言うことは絶対。演奏できなかったら、音程が合わなかったら退場。土日も夏休みも練習練習練習。
それでも大半の人間はなぜか逃げようとは思わず、ただただ楽器を続けてました。いま思えば(特にコンクールの前は)完全に取り憑かれてたなと思います。音楽には人を狂わせる何かがあるのかもしれませんね。

てか終盤でディスク不調でストップ+スキップしちゃったんだけど!!手に汗握ってただけ本当につらい...
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