メグスリ

セッションのメグスリのレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
4.4
これを作品として観ることが出来なかった。完璧なまでの演奏と演技は、映画が伝えようとしていることを全て伝えきっている。
主人公は承認欲求と野心とに突き動かされるままにドラムを叩き続ける。教師は彼から完璧な音を引き出すべくひたすら鞭を振るう。音楽の真髄を純粋に求めているだけとは違う、両者自身の奥底にある意志が激しく交わる、その究極の合致がラストに表れている。
作品中のやりとり全てが「セッション」。
劇中で何度も演奏される曲whiplashのドラムにしこたま気圧される。教師の暴力的指導はある種のwhiplash/鞭撻であり、原題whiplashには納得。