Masanori

セッションのMasanoriのレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
4.5
『努力』と『勝利』を経由して生まれる真の『友情』、くたばれマチズモ!

ハートマン軍曹ばりのマチズモ教授(指揮者)とスタローンをなよっとさせた顔の主人公(ドラマー)の『対決』を描く映画です。
師弟の友情話ではない、または、みんなが考える師弟ものではないとだけ言っておきます。

これは、『闘い』の映画であると。『闘争』の映画であると。

教育のためなら罵倒も辞さない教師と、マジで血が滲む努力をし『闘争心』をむき出しにドラムを叩く生徒との闘いの映画なのです。
演奏がどうこうとか関係ありません。

自分は高校時代、担任がよりにもよって劇中で出てくる教師みたいな感じの人で、忘れ物をしただけでアゴを殴ってくるようなクソ野郎でした。自分の卒業半年前に罵倒がひどすぎて担任を降格させられましたが(マジでくたばれ!クソったれ!)。

この映画は、このマチズモ的な感覚に対して暴力や破壊に頼らない方法で闘いを挑み勝つ映画なのです(その点では『ロッキー』に近いです)。
それがあのクライマックスにありました。

主人公に対してある憎さ100倍の行為をしてきた教師を、暴力ではなく、主人公に唯一残ってるドラマーとしての腕前でもって勝利する映画なのです!
そして、負けを認めてから生まれる真の『友情』、あれこそが真の師弟関係ではないのでしょうか?
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