てくのすけ

セッションのてくのすけのレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
5.0
音楽を通して出会う師弟、しかし類は友とならず同族嫌悪となってぶつかり合う。ドラムセットを濡らす血と汗と涙がもたらすのは心震える感動ではなく激闘の高揚感。高みを目指す者にしか見えない景色がそこにある。凄かった。

音楽は楽しいという次元を越えて、スパルタとかぶつかり合いとか痛みとか恨みとか全部超越して、例えどう解釈してようが最後に問答無用で飲み込まれてしまうのが面白いし気持ちいいし凄まじい。最後の瞬間は作品に関するあらゆる論争さえ忘れる。

あの二人は「アンサンブル」というよりやはり「セッション」なのだろうな。合わせて演奏するのではなく、お互いがせめぎ合うという意味で。
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