ぶみ

ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンスのぶみのレビュー・感想・評価

3.5
世界の運命は、一人の少女に託された。

スーザン・コリンズが上梓した『ハンガー・ゲーム』シリーズ三部作の最終作『ハンガー・ゲーム3 マネシカケスの少女』を、フランシス・ローレンス監督、ジェニファー・ローレンス主演により映像化したSFアクションで、『ハンガー・ゲーム』シリーズの3作目であり、二部作の前編。
独裁国家により開催される「ハンガー・ゲーム」の第75回記念大会から救出された主人公が、国家打倒のため、反乱軍として戦う決意をする姿を描く。
前作までは鑑賞済み。
前作同様、主人公となる少女カットニスをローレンス、同じ地区からゲームに参加した青年ピータをジョシュ・ハッチャーソン、カットニスの幼馴染ゲイルをリアム・ヘムズワース、過去の優勝経験者であるヘイミッチをウディ・ハレルソンが演じているほか、エリザベス・バンクス、スタンリー・トゥッチ、ドナルド・サザーランド、サム・クラフリン、ジェナ・マローン、ジェフリー・ライト、ウィロウ・シールズ、フィリップ・シーモア・ホフマンと言ったメンバーも続投しているのに加え、第13地区の首相としてジュリアン・ムーア、同地区の高官としてマハーシャラ・アリが登場と、どんどんキャストは豪華に。
物語は、滅亡したとされる第13地区の反乱軍が、スノー大統領率いる独裁国家打倒のため準備を進め、カットニスが革命のシンボル「マネシカケス」として動き始める姿が描かれるのだが、一作目が純粋なサバイバルとしてのハンガー・ゲームが、二作目が記念大会としてどちらかと言えば、ステージ攻略的なゲームが展開されていたのに対し、本作品は、独裁国家に対して反乱を始めようとする人々の様子が中心となり、なおかつ、二部作の前編であるため、ゲーム自体は行われず、アクションも内容に伴った必要最小限のものにとどまっていることから、前作までとは雰囲気が異なっているとともに、物語そのものも、本作品だけでは完結しないものになっている。
そのため、後編ありきであり、壮大なる反乱の序章となっていることから、前作までのようなゲームを楽しもうとすると拍子抜けする内容となってはいるものの、作品としての完成度は決して低くなく、特に残念ながら本二部作が遺作となってしまたホフマンの存在感がアップしていたのは見逃せないポイントであると同時に、カットニスが反乱軍のプロパガンダ映像を撮影するシーンは、現代にも通じることであり、何とも皮肉めいたもの。
本作品単体で観てしまうと、世界観や人間関係がさっぱりわからないし、物語も途中で終わってしまうため、前二作の予習は必須であるとともに、ここまで来たら、後編も観て、全四作をコンプリートせざるを得なくなった一作。

戦争では解決しない。
ぶみ

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