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百日紅 Miss HOKUSAIの&yのレビュー・感想・評価

百日紅 Miss HOKUSAI(2014年製作の映画)
4.0
【2015/6/16:テアトル新宿】
何かのインタビューで監督が「お栄はロックな女」と言ってたので、もっとバイタリティー溢れるアグレッシブ意識高い系女流画家の話かと思ってたら全然違った(よかった)。

江戸に生きる女性としては十分前衛なのでしょうが、当時は今のようにキャリアプランを立てて自己実現することを良しとする…みたいな価値観自体なかったのでしょう、時間の流れに飲まれるでも抵抗するでもなく、「筆二本、箸四本で食ってける」と言うお栄の生き方は、まるで橋の欄干に凭れ人々の往来を眺めるように、平坦でありながらも清々しかった。
その平坦な日常から「輝ける瞬間」が溢れ出す、特に妹との一連のくだりは、瞳孔全開感な美しさ。

ただ、エンディングテーマはどうなのかなあ。この作品の良さって「最果てが見たい」とかそんな大それたもんじゃなく、もっと日常に流れる美しさや不穏さだったり、そこに身をまかせる生き方や諦観だったりする気がして、正直ちょっと違和感あった。

鳥逃し屋?あれって実在したんでしょうか。形は違えど今もあんなようなのあるよなー…恐ろし。
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