犯人です

ペイル・コクーンの犯人ですのレビュー・感想・評価

ペイル・コクーン(2005年製作の映画)
3.8
【あらすじ】
自然破壊で枯れ果てた未来の世界。惑星の中心部にある環境維持装置により人類が生き続けている。だが効力も少しずつ衰え、地上付近では住むことできないため、人類は地下(装置の効力が強い中心部)に引越しを繰り返す。主人公は地上に人類が住んでいた頃の記録を解析する「記録発掘局の情報分析課」に所属。ある日、主人公はある動画の復元に成功。それは歌を歌うある女性の姿の記録だった…

(まとめ)
23分の短編アニメーションなので良い点、悪い点は省きます。「イヴの時間」や「サカサマのパテマ」の吉浦監督作品。去年は「アイの歌声を聴かせて」が上映され結構面白かったです。昔、見たことあったのですが、たまたま見つけて懐かしいと思い視聴しました。今作品は吉浦監督最後の個人製作であり、最初の商業作品でもあるようです。当時、同じ個人制作の新海誠監督が『ほしのこえ』を発表し影響を受けているそうです。
環境問題を題材に扱う作品であり、将来訪れるであろう未来を現代社会に向けての風刺的表現をされています。
今作品で地上にいた頃の記録を分析するという歴史発掘科的な発想がとてもおもしろかったです。
短いながらにどんでん返しもありラストは切なくなります。
「人は変わらないで欲しいと思うことがあるから、それを記録に残す」というセリフがあるのですが、主人公はこの記録を復元し現実逃避をし続けています。最終的に人類はどうなるか分かりませんが、主人公は色彩豊かな世界を取り戻す気持ちを持ってラストを迎えたのかなと思いました。