Donatello

ブラックハットのDonatelloのレビュー・感想・評価

ブラックハット(2015年製作の映画)
3.8
特殊効果技術群が多用される現代において、車は本当に吹っ飛ばすわ、銃はプロップでなく本物を使うわ、小道具一個に訳のわからない注文つけるわ、低空域の空撮でいちいち本物のヘリ飛ばすわ、という観てるぶんには最高だけど下では働きたくない、オールドスクールにも程があるだろ代表格のマイケル・マン監督ですが、『パブリック・エネミーズ』がちょいコケしたせいで、過去の人呼ばわりされてるのが少しばかり歯痒かったんですよ。1ファンとして。

まぁ前評判は良くなかった本作ですが、マン監督らしい部分が多々あり、個人的には満足でございます。
例え無駄にワンシーンが長くても。
例え無駄に間があっても。
そうです。リハビリ中なんです。マン監督は。

冒頭いきなりCGで吹きましたけど。

それでもやはり漢をカッコよく撮らせたら、今日日ここまで出来る人もなかなかいません。
流石、ジェイソン・ステイサムさんを20秒ほどのカメオで使えるマン監督です。

やはりそうなんですよ。一見陳腐に思える脚本も、マン監督には漢を引き立たせる為の小道具なのです。
天才ハッカーと中国諜報部やり手が大学時代はルームメイトだったりする無茶苦茶な設定も、漢を撮る為の手段のひとつに過ぎません。

…誰か『イコライザー』みたいな脚本持ってきて、こっそり差し替えておけよ(小声)

映像美的にはとても素晴らしい映画だと思います。是非この漢の映像美をご堪能下さい。
マン監督とクリス君ファン以外需要ないんじゃないかコレ、とは一言も言ってません。
Donatello

Donatello