風来坊

UNIT7 ユニット7 麻薬取締第七班の風来坊のレビュー・感想・評価

4.0
過激な暴力もいとわず強引な捜査でスペインのセビリアの麻薬撲滅に励む麻薬取締第七班。捜査の過程で一線を越えてしまった事による栄光と破滅を赤裸々に描いた刑事ドラマ。

スペインのアカデミー賞にあたる27回ゴヤ賞で16部門のノミネートを受けたという本作。実際に賞を獲ったのかどうかは知りません( ̄ー ̄)
最近は観たスペイン映画がハズレ続きだったので本作もあまり期待していませんでしたが、なかなかどうして骨太の硬派な刑事ドラマで面白かったです。

冒頭の追いかけっこのシーンがスピード感溢れ、セビリアの古い街並みとマッチしていて素晴らしかった。その後はアクション的には派手さはなく、淡々としたドラマに終始しているので、この辺が観る人によっては退屈と感じるやも知れません。

この映画はラストシーンが秀逸で刑事でありながらも、一線を越えてしまったその先で得たものは何かをラストシーンが全てを現していますね。かつての仲間の微妙な距離感、そして沈黙…素晴らしい。1987年から1992年までのセビリアの歴史と共にに長いスパンで描かれる演出も良かった。麻薬撲滅に情熱を傾ける主人公の若手刑事が変貌していく様も丁寧に描写していて、その変貌が波紋のように広がっていく感じが良く分かる。良く出来た骨太の刑事ドラマだったと思います。ただ犬のシーンは個人的にトラウマでした(´・ω・`)
風来坊

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