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SAINT LAURENT/サンローランのhabakariのレビュー・感想・評価

SAINT LAURENT/サンローラン(2014年製作の映画)
4.0
すべては1976年のために。
ブランドの肥大化とイヴ晩年の混濁の間で、あらゆるものを喰いつくしたバレエ・リュスの煌めき。

執拗なまでにイヴの後姿(鏡も含め)を映すのだけど、その現実感の欠如、浮遊にゾクゾクした。
唐突に差し込まれるサンローランを着た女と裸婦のシーン(英語!)、二人の「寒いわ」、台詞の中のイヴとカメラのこちら側のイヴ、逃避と実存、底抜けの自家中毒。

非説明的に描く栄華とその背後の虚無は、只々美しい。
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