フレッシュ

アバター:ウェイ・オブ・ウォーターのフレッシュのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

とにかく水の表現は凄い。
海中の映像とかマジで美しい。何なら現実よりも美しいんじゃないだろうかというくらい生々しい。人類史上最高の映像体験といううたい文句もあながち誇大でもないような気もするので、それを体験するためには映画館で、しかもでかいスクリーンの方が良い、観に行くのはそれだけの価値があると思う。
けど、ストーリーはモヤモヤするとこがかなりある。

色々、引っかかる点はあるけど、一番引っかかるのは、描かれている家族観について。
最終的な結論が、父親である自分が家族を守り抜いていかなくては…みたいなとこに落ち着くの古臭すぎない?
自分の父親性みたいなものが次男を追い込んでいたはずだし、それがひいては長男の死にもつながっているわけだし、最後の戦いの時にあれだけ奥さんも共に戦ってくれたはずでもともと強い女性としてのキャラ設定のはずなのに、なぜあの主人公はあの男性的な考え方で守らなくてはみたいに思うんだろうか?
もう少し、新しい家族観を見せられなかったものか。
自分の子じゃない子が混じっているとか、他の種族の子も色々思うことはありながらみまもっているとか、そういう現代的な要素がある程度盛り込まれていた気もするけど、最後に、父親たる自分がみんなを守るんだ…って落とし所に持っていかなくてもよかったよなあって思ってしまった。

あとあの鯨みたいな生き物(パヤカンだったか)を狩るシーンは、まああれ捕鯨に対するアンチもあってああいう残酷な描き方(そしてそれが現実なんだろうけども)をしたんだとは思うし、それ自体は監督の思想だろうからそこは良いんだけど、捕鯨に使うモリを打つ機会にほとんど日本語にしか見えない漢字っぽい文字をわざわざ描写するのって嫌味ったらしいな…と思って、それ要る…?ってあの佳境のシーンでかなり興醒めしてしまった。
アンチ捕鯨を描いたこととか、日本が標的になっていることに対してじゃないよ。それは言い分もあるにせよ引き受けるべきところもあるかもしれないし、とは言えストーリー的に佳境に入っているあの場面の1シーンにそれを入れたいならもう少しうまく埋め込めなかったものか…とそういうところなんですよね。
フレッシュ

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