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アバター:ウェイ・オブ・ウォーターのandesのレビュー・感想・評価

3.6
3時間以上の長丁場、一応飽きずに観られたけど、期待値が高かっただけに、拍子抜けした。というか、5部作の2番目ってどういう態度で観れば良いのかもよくわからない。
巷で言われるように映像は凄い。ただ、それは予想通りだし、キャメロンならそれくらいやるはず。むしろ、「映像」くらいしか積極的に褒められないのは残念。戦闘描写や機械のギミックなど上手いのだけど、本筋が消化不良なので満足とはいかず。
肝心のジェイク・サリーが後ろ向き(逃げる旅)なので、求心力が低い。しかも結局、他部族に迷惑を掛けた挙げ句、「俺のホームだ」は都合が良すぎな気もする。あと、大佐がそこまでジェイクにこだわるのも理解しづらいし(これはアバターになった弊害でもある。あのキャラは役者の魅力あってこそ)、大佐に全面協力する軍や研究機関も謎。そんなに暇なのか。
映像も綺麗だが、描写には疑問符が付く箇所が多い。捕鯨シーンはやり過ぎだし、海の民はサモアとかマオリとかそのまんま(舌を出すやつとか)。魚や植物も「地球にいるのと似ている」ので、別惑星ならではの面白さはない。綺麗でピカピカだけど、なんとなく、ラッセンやチームラボ的な俗っぽさ(ダサさ)がある。あと、海兵隊のアバターチームのキャラが薄すぎる。
終わってみれば、ほとんど話が進んでいないことに気付く(息子は死亡)。あ、クジラとは仲良くなったね。母親が活躍するんだけど、なんか「使われてる」感も気になった。
一見、壮大な物語のようで、小さくまとまっている(父は大変だ家族映画)。個人的には民族の対立、侵略者との関係、独立をどう守るか、などの「答え」は今作にはなかった。シリーズでの帰結には期待するが何年待てばいいのやら…。
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