kazマックスグローバーレッド

毒婦お伝と首斬り浅/毒婦お伝と首切り浅のkazマックスグローバーレッドのレビュー・感想・評価

3.4
重〜い暗〜い映画と思いきやオープニングから陽気な音楽が流れ、思ってたんと何か違った。

明治初期、混乱の巷に情念のおもむくままに生き、男を愛し男を憎み 愛する為に愛されたいと願い その為に殺人を犯して死んでいった明治一代毒婦「高橋お伝」

1879年に日本で最後の斬首刑になった実在の女囚ということだけど、史実ではどうやら彼女が最後の斬首刑でもなく、不幸な運命に翻弄された悲しい女性だった。それが死後に何故か人気が出て、恋人の市太郎と一緒に次々と人を殺したという逸話になり、講談や歌謡曲、歌舞伎の演目になって人気が出たということ。ボニーやクライドと同じような現象が、彼らが出てくる以前の日本で起こってたのでした。


映画版は1977年の公開で、軽快な音楽が流れてバンバン人を撃ちまくるアメリカン・ニューシネマのノリだった。1977年、世界では『スター・ウォーズ』や『サタデーナイトフィーバー』が登場して とっくにニュー・シネマ時代は終わっていたのに、日本は『毒婦お伝と首斬り浅』で勝負するってセンスが渋いです。

補足 : 若い頃の伊吹吾郎がめっちゃ男前だった。