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ドラゴン・キングダムのmanacのレビュー・感想・評価

ドラゴン・キングダム(2008年製作の映画)
4.9
何も考えずただ楽しんで観られる。
何度も観ているお気に入り映画。


★★★★衣装が素敵★★★★
衣装を担当しているのがジュエリーデザイナーのシャーリー・チャン。
宝飾品と着るものは全然違うんじゃと思われたが、なるほど、よく見ると衣装にもジュエリーデザイナーらしい装飾が施されていた。
役柄的に華やかな衣装を纏っているのは将軍と白髪魔女くらいのもんだけど、中国衣装定番のゴージャスな刺繍ではない装飾が施されていた。服飾の知識がないので説明できないのがもどかしいのだけれど、家具類の装飾に近い感じ?兵士たちの鎧は全面唐草模様だったり、靴とかチラッとしか見えないような細かいところにも気が配られている。白髪魔女の靴が可愛すぎる。ジェイソンとの一騎打ちの時にチラッとしか見えないから、ここは彼女の靴を要チェック。
裾や袖の振りをたっぷり取った衣装はワイヤーアクションと合わせると華やかさが増す。大仰なバッサバッサという効果音はその効果倍増。

★★★★美術やロケーションが素晴らしい★★★★
山間部の村から見える広大な山々の景色、旅の途中で見られる竹林や奥ゆかしく咲く木々の花、孫悟空が暴れる五宝山の宴の席や、ジェイド将軍の宮殿なども、荘厳な背景の元に物語が進んでいくのでそれだけでワクワクする。
将軍の宮殿はもちろん、町の宿屋の衝立でさえも繊細な装飾が施されており、中国人が見たらどう思うか知らんが、外国人から見たらいかにも中国なデザインで素晴らしい。

★★★★アクション満足★★★★
ジェット・リーとジャッキー・チェンのキレキレアクションから目が離せない。
短いカットやスローモーション等の編集も良くできているので、2大アクションスター以外の登場人物のアクションもチープさを感じなかった。
寺の小坊主たちの修行シーンは往年のカンフー映画を思い起させる。
それぞれの特性を生かした演出と編集でたっぷり見せてくれるアクションは観ていて飽きない。
いじめられっ子だった主役のジェイソンを一夜にしてカンフーの達人にせず、敵よりも弱いままにしたので変にチープさを出さずに済んだ。
現実世界に帰ってからのジェイソンはカッコよかったよ。

★★★音楽★★★
オープニングから古き良きカンフー映画を思い起こさせる曲でこちらの気分も盛り上がる。
音楽担当はデヴィット・バックリー。サントラで曲だけ聴いていたい名曲とは違うけれど、シーン毎に合わせて物語をより盛り上げる効果のある映画が多いような気がする人。
映画に音楽は重要ですよ。

★★物語★★
孫悟空とか白髪魔女とかてんこ盛りだけど無駄がない。
それぞれのキャラクターのモデルを知っている人には違和感ありまくりかもしれないが、自分は孫悟空以外あまり知らないから気にならずに観られた。
スパロウのキャラが不明だったけど。なんでこの子は自分のこと三人称で呼ぶんでしょうね。白髪魔女とも何やら因縁がありそうだけど、それらは匂わせる程度なのでよくわからん。
そもそもしょっぱなから先の見える話なので、ストーリー展開については「ああそういう話だもんね」で全て解決。
個々のキャラ立てもしっかりしており、てんこ盛りの割りに大きな矛盾点も無く、脚本はよくできているのではなかろうか。
テンポよく話が進むのであまり細かいところは気にしないで観られた。
空中浮遊術のある白髪魔女の最後だけは頂けないが。

★言語★
ジェイソンの周りだけ何故か英語。皆ジェイソンの聞こえないところでは中国語喋ってる。
皆中国語喋ってんだけど、「聞こうとする意志」を持ったジェイソンには言葉が分かるって演出なんだろーけど、中国語と英語が入り乱れて違和感を感じる。
中国語の響きって綺麗だし、現実世界は英語、異世界は中国語で分けて欲しかった。アメリカ合衆国3億人の人口の中に、身体能力が高くて中国語を話せる白人男子はいなかったのか。
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