サマータイムブルース

コロニアのサマータイムブルースのレビュー・感想・評価

コロニア(2015年製作の映画)
3.9
史実を題材にした物語

コロニア・ディグニダ”は、ストップモーション・アニメ「オオカミの家」を観る前に下調べしていて、その時に知りました
本作も、そこでこういう映画があるんだ、ということをを知って鑑賞しました

“コロニア・ディグニダ”とは、元ナチス党員で、アドルフ・ヒトラーを崇拝し、子どもに対する性的虐待(男の子)でドイツを追われたキリスト教バプテスト派の指導者、パウル・シェーファー(ミカエル・ニクヴィストさん)がチリに逃げ込んで設立したカルト教団です

チリの僻地に土地を与えられ、ドイツ人及びチリ人の資金により自給自足で運営を続け、シェーファーの指導の下、拷問や性的虐待、殺害を行いました
表向きは真っ当な教団という隠れ蓑で、周りの住民を欺き、チリ政府やドイツ側も簡単に手を出せない強大な力を持つようになりました

1973年、チリで反政府の軍事クーデターが起こります
ダニエル・リスト(ダニエル・ブリュールさん)はドイツから来て、政府側の活動をしていたので、反政府側に捉えられ、“コロニア・ディグニダ”に送られ、拷問を受けます
そこにCAである恋人のレナ・コルトゥス(エマ・ワトソンさん)が救出のため潜入する、というお話です

多分実際には映画では伝わらない、もっと残酷な状況があったんだろうなと想像します

カルト教団といえば私たちは“オウム真理教”思い浮かべますが、似たような感じなのだと思います
それと、最近のジャ◯ーズ事務所の性加害事件を思わずにはいられませんでした
ジャ◯ーズも、分かっているのに、強大な力を持って、誰も止められなかった、という点は同じだったと思います

後半は「大脱走」真っ青の大脱出劇!!
ハラハラドキドキしました
レナの勇気と愛情に拍手!!
それとレナの仲間のパイロットの友情に感謝
後で処罰されないことを願います
そしてこの場所で被害に遭われて亡くなった方々に、心から哀悼の意を捧げます