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コロニアのクリームのレビュー・感想・評価

コロニア(2015年製作の映画)
3.9
「オオカミの家」の主人公はチリのコロニアから逃げだした少女の話で何とも恐ろしい話だったのだが、こちらもそのコロニアに収容されてしまった外国人と追いかけて来た彼の恋人が脱出するお話。あくまで、実話を元に作られたスリラーですが、手に汗握る展開は、かなり面白かったです。
※観賞するにあたり、コロニアの事を理解していた方が、断然面白い。ラストの◎印は簡単な説明です。

1973年、フライトでチリを訪れたドイツのキャビンアテンダント·レナはチリに在住の恋人ダニエルと久々の再会を楽しんでいた。しかし、軍事クーデターが起きて、巻き込まれ、ダニエルは元ナチスのシェーファーが仕切るコロニア·ディグニダと言う施設に入れられ拷問を受けます。レナは危険を承知で恋人を助ける為、コロニアに潜入するのですが…。



ネタバレ↓



コロニアでは男女と子供は別々に暮らし、厳しい労働と自由の無い生活。謎の薬まで毎日飲まされる。
ダニエルは、拷問の電気ショックで脳障害を負ったふりをして、脱出の隙を狙っていた。レナは、ドロの恋人の話を何気なく監視のギゼラに話てしまった。するとドロは、男達の集会でボコボコに殴られ、居なくなった。
大統領がコロニアに来る事になり、皆が集まった時、ようやく2人は再会出来た。 大統領はシェーファーに、毒ガスを求めていた。 貯蔵庫で会ったレナとダニエルは、偶然、地下の秘密の通路を見つけた。そこには、自分が拷問を受けた場所等もあり、ダニエルは証拠写真を撮った。
翌日、レナは教皇に呼び出され、ウルセルの監視役を任される。 彼女の母はギゼラで、9歳で母に連れられここへ来た。ウルセルは、ダニエルとレナの関係に気付いていて、彼女自身妊娠していて、ここから出たがっていた。ダニエルが毒ガス実験の被験者になったので、ウルセルと3人で脱出した。外に出た瞬間、ウルセルは罠にかかり亡くなった。2人は、ドイツ大使館へ行き、帰国の申請をするが、シーファーや大統領に邪魔されます。ドイツ側もぐるでした。たまたまその日にレナの上司のパイロットのフライトがあると思い出し、レナは彼に搭乗させてくれるように頼みます。捕まりそうになりながらも何とか脱出し、証拠の写真を暴露。しかし、世界で騒がれてもチリ国内では何年もの間、コロニアの事は誤魔化され続けました。

あくまで実話ベースのサスペンスですが、背景は実際と同じ。ずっと、ハラハラドキドキが続き、ドイツ大使館まで傘下にしていて、最後まで、スリルがあり満足感のある作品でした。また、コロニアの事を少し知る事が出来たのも勉強になりました。面白かったです。

◎1970年代チリ。南米史上最悪の独裁ピノチェト政権下。2万8千人が拷問され、約3千人が殺害された。 その極秘拷問施設として使用されたのがコロニア·ディグニダ。元ナチス党員シェーファーにより支配され、住民達は強制労働させられ、暴力、児童への性的虐待が行われていた。また、銃やロケット砲、手榴弾、戦車、毒ガス等、戦争兵器を持ち、人体実験まで行っていて、40年間で脱出出来たのはわずか5人だと言う。
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