カナザワ映画祭2016昼下がりの前衛的エロ映画特集の1本にして、同映画祭のオールタイム・ベスト第1位の作品です。こんな変態ポルノ映画がベストに選ばれるってのが、この映画祭の性格を的確に言い表わしてますね。
自分も2012年に観た時の客席の一体感を忘れることができず、以来カナザワに通っています。
ぶっちゃけ『タクシードライバー』のポルノ版パロディ映画です。夜のNYを彷徨う主人公が風俗店で偶然目撃した浣腸プレイに衝撃を受け、「浣腸の使者」として開眼する。街の汚れた女どもを浣腸で浄化していくというお話。
前回はそれほどの客入りではなかったけど、噂が噂を呼び今回は大入りです。しかも今回は「エネマ版」なる6分長いバージョン。もちろん無修正ですべてが丸見え。
そして浣腸の使者たちが繰り出すパンチラインにいちいち笑いが起きる。
「浣腸と人類は切っても切り離せない」
「浣腸には重大な責任が伴う」
「浣腸をライフワークにするためにはあらゆる状況に対応できなければならない」
街の浄化といってもやってる事はレイプなので警察が動くわけですが、こいつらの無能っぷりが筆舌に尽し難く。上司の女性をおとりに逮捕を試みるもまんまと浣腸やり逃げされる。「バスに足止めされて遅れた」という言い訳に客席爆笑。
そして突然現れる「THE END」に「えぇーっ？」という驚きの声と直後の大爆笑。
自分は二度目なので驚きや感動はそれほどなく、むしろ客席の反応を楽しんでました。結構なボリュームのある無修正性交シーンでは気まずい空気が流れるも、浣腸の使者のモノローグが始まると一気に場が和むのが可笑しかった。
今後上映される事はまずないと思うので、どうしても観たければ輸入版ソフトを探すのが良いでしょう。新井英樹『愛しのアイリーン』で岩男が観ている裏ビデオの1本です。それくらい有名らしいので、入手はそんなに難しくないかも。
