三四郎

春一番の三四郎のレビュー・感想・評価

春一番(1966年製作の映画)
3.5
豪華キャスト!
犠牲になるのはやはり三枝子…
耐え忍ぶばかりで自らの幸福を手に入れられない…
いつも「結婚できなかったのよ したくても…身分家柄が違って…」という悲恋になる。お嬢さん…悲恋もののヒロインを戦前から戦後にかけてずーっと演じ続けてます。

万朶の桜か襟の色 のメロディで

聞け万国の労働者
とどろきわたるメーデーの
示威者に起る足どりと
未来をつぐる鬨の声

そのような歌が歌われる中、この映画のテーマ曲は、
愛しちゃったのよ 愛しちゃったのよ
あなただけを 死ぬほどに🎶
なんとも気楽な笑

山口というハンサムボーイ!外務省に勤める彼が桑野呼び出したシーンの背景は緑のネオン松竹マーク!我ながらよくあのボヤけた背景で松竹マークが察知できるものだと感心! ボウリング場の扉にも松竹!
レストランで「なんでもいいです」と言う桑野。山口はステーキ・ミディアムを注文。そして微笑んで
「横浜で 貴女 美味しそうに食べてた」
いいねぇ、この客観的というか直訳というかの表現。笑
「僕はあなたを離しませんよ 幸せになりたいからです」

坊さんの
「日本人は偉いものをこしらえた」というくだり、好きだなぁ。笠智衆の「本当のものには永遠の価値がある」
さて、ラストシーンが残念…!道路トラック車、片方は渋滞だよな…二人が見つめる向こうの街は田舎?なぜこの風景をラストに選んだ?????謎すぎる。監督の美的センスを疑う。たとえ原作がそういった場所をラストにしていたとしても、映画では変えてくれ!せっかくキレイなシーンを繋げ美しくきたのだから最後もキレイに終幕して欲しかった。そこだけ残念。
三四郎

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