Yoshishun

アングリーバードのYoshishunのレビュー・感想・評価

アングリーバード(2016年製作の映画)
3.9
"飛べない鳥は、ただの鳥だ"


大人気アプリゲームの長編アニメ映画化。携帯ショップの体験版としてよく知られているゲームですが、私も一時期ドハマりしたので、非常に懐かしい気分になる作品でした。

内容自体はまあよくある子供向け映画と然程変わりません。仲間外れにされるレッドという赤い鳥が、島にやって来た卵泥棒の豚たちを懲らしめるというもの。中盤までレッドは島中の鳥たちの目の敵にされ、怒りを制御するカウンセラー教室でもロクに講義を受けようともしません。そんな反抗的なレッドが、同じ教室に通うチャックとボムと協力し、島の英雄となるまでが描かれます。

劇中ではまあ寒いギャグが続きますが、『シンプソンズ MOVIE』を手掛けた脚本家が参画しているのもあり、そこそこブラックなジョークも効いていたりする。また、劇中ではわかりやすすぎる映画ネタを入れてきたり、ある程度年齢高めな映画ファンにも鑑賞してほしいという気概は感じられました。

結構見る人は選びますが、私のようなかつてゲームを遊んでいた、もしくはゲームファンにとっては後半のパチンコシーンは堪らないものになっています。本当にゲームそのままで、かつゲームに登場する鳥たちの特性も3Dアニメで完全再現できているのです。劇中では全く登場してこない三つ子の青い鳥も、終盤でちゃんと出てきます(次回作で活躍?)。

ファンムービーとして観れば最低限の満足は得られる出来かと思います。テレンスが飛んでいけなかったのが不満ですが、全キャラクターが何だかんだ愛くるしく思えてくる映画版でした。
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