真面目な子ども向け娯楽アニメーション。
テーマは「家族愛」で一貫しており、構成は脚本の教科書のような転がり方。
物語を単純化するために敵役や両親が、テンプレ処理されており、大人が見るには少し説教くさいかもしれない。
3DCGの表現の幅広さを改めて垣間見る。ギミックがピタゴラスイッチのように連動し、バックトゥーザフューチャーの序盤をずっと見ているような心地よさがある。
海外で、主流となっている3DCGアニメを見ていると、いかに日本の手書きアニメーション市場が異色で、日本のアイデンティティになっているかがよくわかる。
ジブリの3DCGアニメであるアーヤと魔女を海外の人が鑑賞したとき「なぜジブリは2Dを捨てたのか?」と物議を醸したらしい。
序盤から「私は空想に生きていた」に始まり、最後は「現実に戻れ」に終わる裏メッセージ。
英語圏の人が大好きな「家族愛」のテーマの裏に、描かれた「現実に生きろ!」のテーマ。
娯楽映画の教科書的構成で参考になる。心情描写はやや出オチ感がある。
字幕版で見るか、吹き替えで見るかで大きく体験が異なりそう。