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ブリッジ・オブ・スパイのwksgknchのレビュー・感想・評価

ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)
4.1
監督はスティーブン・スピルバーグ
得意のシリアス系、シンドラーのリスト、プライベートライアン、リンカーンなどの社会派(あるいはアカデミー狙い)シリーズ、でも実際に内容も伴っていて、良いのだから文句は言えない。

脚本はコーエン兄弟、実話をベースに素晴らしい脚本を書いた。

トム・ハンクスも知的で男気があり、芯を持つ、ブレない弁護士ジムを演じた。誰かのためなら泥臭いことだってやり抜くし、狡賢さも併せ持ち、讃えられるような仕事をする英雄みたいな人だって、絵に描いたようなアイドルではないわけで、その辺りの揺れ動く感じを表現する素晴らしい演技だった。

ロシアのスパイ、アベルを演じたマーク・ライランスも、飄々としているが、その実強固な愛国心を秘めている男を演じた。

東西冷戦、アメリカとソ連、資本主義と社会主義(あるいは共産主義)、対立する大国と自律したい東ドイツ、譲れないプライド。
互いに王手をかけ続けているピリピリした世界、当事者達の心労は計り知れないけど、きつかっただろうなー

誰にでも平等に用いられてこその憲法、その憲法こそがアメリカという巨大な国をアメリカたらしめている、というジムの言葉こそ、いま世界がもう一度思い出さないといけない原点を思い起こさせてくれる。国とは、人とは、自由とは何かを。
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