MasahiroOhta

ブリッジ・オブ・スパイのMasahiroOhtaのレビュー・感想・評価

ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)
3.9
実はあまりスピルバーグ作品って観てない。
自分から進んで観ようとすることは少ない。前回のリンカーンも、誰かにくっついて観に行ったモノだったと思う。

何かこう、磐石ですよねw
シリアスなストーリー(しかも実話ベース)なのに重くなりすぎない(もちろんここはコーエン兄弟の仕事もいいんだろうけど)、でもメッセージはズシッと重く残るっていう。

強いていうと、こういうノリで作るなら、もうちょっと尺的にタイトでもよかったんじゃないだろうか。
さりげなくオフビートな笑いどころも散りばめられてるし、ショッキングなシーンもあるから飽きはしないんだけど、これが120分以内に収まってたらサイコーだったと思う。

それにしてもベルリンに入ってからは怖いところが多かった…何気に、街でゴロツキに絡まれるところが一番怖かったかも知れない。
言葉の分からない土地でああやって絡まれて、でも片言や身振りで何とか最低限自分の要求をきちんと通すっていう、言ってしまえばこの映画の一番の肝に近い部分を象徴してるシーンにも思えたんだけど、それをこんな卑近なシーンで表現しちゃうとことかもうスゲェな、っていう。

あと、アベルを演じるマーク・ライランスがですね、以前観た「スペシャリスト」っていう、アドルフ・アイヒマンがイスラエルで裁判にかけられるドキュメンタリーがあるんですが、そこに出てくるアイヒマン本人に佇まいがそっくりなんですよ。
その作品の中でアイヒマンは「私は国家から命令されて忠実にそれに従ったまでであって、個人としてその行為の責任をとらされる謂れはない」っていって抗うんだけど、そういうとこ思い出して何となく複雑な気分にもなったなぁ。

それにしても疲れた…
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