万人に約束された正義を守る
スティーブン・スピルバーグ監督 2015年製作
主演トム・ハンクス、マーク・ライアンス
楽しくなってのシリーズ化「今日は何の日シリーズ」(^-^)
今日、8月4日は「はしの日」です。橋、箸、吊り橋と色々ありますが、変わりものではビアホールの日(笑)。それもいいなぁ……( °_° )ノ🍻🍺。
で、僕が選んだのはこれ、「ブリッジ・オブ・スパイ」(๑•̀ •́)و✧
でも、作品が作品なので、真面目レビュー😏
公開当時に劇場でも観ましたが、実話に基づいたマット・シャルマンとコーエン兄弟による脚本の素晴らしさもあり、じーんと心に響く良作となりましたね( ˘ ˘ )ウンウン
1960年代、東西冷戦時代。
キューバ危機に備えるケネディ大統領
まだ、ソ連も東ドイツも存在しています。
ベルリンの壁の崩壊は、今の若い方にとっては学んだ歴史のひとつでしょうが、私たちにとっては人生のひとコマです。
1961年の夏、ベルリンに突然建てられた壁
ドイツは敗戦後、1949年に東西に分断していたが、唯一ベルリンだけが往来でき、そこから西ドイツに逃れる人が後を絶たなかったことによる措置だった。
突然、我が家に帰れなくなる人
家族から引き離された人
スピルバーグはそれを「デスライン」と呼んだ…
あれが崩れる映像を見た時の驚き、というか、そんな日が来るって信じてなかった時代がありました。20代だった僕は、歴史の証人になったかのような感覚を覚えましたし、実際、こうして語る今、また感慨深いものがあります。
世界の情勢が以前よりも良くなったなどと短絡的に発言は出来ませんが、努力する限りは前に進むと信じたいと思うところもあります。
観た人は分かりますが、この映画の「ブリッジ」はダブルミーニングになっています。捕虜交換が行われた場所としての「橋」と、その捕虜交換を実現させるために奔走した弁護士が為した役割としての「橋」。彼がいてこそ実現したのですから。東西をつなぐ唯一の橋でした。
撮影で使われた「グリーニッケ橋」は、実際に捕虜交換が行われた橋である。地元の人は「スパイの橋」と呼ぶらしい。それを本当に用いて撮影を行うスピルバーグ。メイキングでは、その撮影を見学に来ていたドイツのメルケル首相の姿もあった。50年前の誰が予想しただろうな……。
映画で登場する人物は、ドノヴァン、アベルだけじゃなく、飛行士のパワーズや学生のプライヤーなど全てが実在の人物で、実話に基づいている。記録に残るものは一言一句変えるなと指示をするスピルバーグ。すごい徹底ぶり。それ故に生まれる説得力。すごい演出力です。
正義を守るってもちろん大切ですが、実は誰にとっての正義なのかがより重要ですね。みんな、己が正義を訴えるんですが、それでは本当の正義は為されない。
スパイを弁護するように依頼されたドノヴァンはその正義を問われたんです。そして、行き着いた答えが「万人に約束された正義」。
スパイ行為は死刑が当然だった時代に、敵国のスパイではあっても、正義は為されるべきという考えで弁護し、交渉に臨んだドノヴァン。貫くべき信念を持つ姿に心打たれる静かなる秀作。
ぜひ、ご鑑賞を(๑•̀ •́)و✧
実は、他に「戦場にかける橋」なんかも考えたんだけど、来週以降の大型企画(笑)として、「娯楽映画で振り返る第二次世界大戦」と題して、戦争映画を観ようと思っているので、今回はパスしましたとさ……チャンチャン