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ブラック・シーのmhのレビュー・感想・評価

ブラック・シー(2014年製作の映画)
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貧困生活にあえぐ元軍人さんたちがナチスゴールドで一発逆転を目指す潜水艦ものというと、クリント・イーストウッドの「スペース カウボーイ(2000)」みたいな痛快なエンタメが思い浮かぶけど、これはもっと暗くて重いやつ。先行作を引き合いに出すなら「特攻大作戦(1967)」のほうが近いと思った。
アンチヒーローものでもあるんだけど、仲間内で殺人も起こってしまうというとんでもない展開。山分けの頭数を減らすためというよりか、明らかに、ブチギレて殺してる。
旧ソ連側のクルーも乗り込んでたり、貨幣価値の差で不平不満が生まれたり、そのせいで艦内がふたつに割れたり、次々に危機が襲ってくる。
Uボートから部品を取って修理するというのもすごいアイデア。
話の流れで仲間にした、旧友の息子の存在が本当にうまくって、連中にも残っている僅かな良心を象徴している。
彼だけが正しい判断にたどり着く。
悪役ジュード・ロウもかっこよくって言うことなし。
館内で音立てて、それをソナー代わりにするとか、説明ないのもよかった。
「俺たちはペンギンだ」の例え話良かった。(海の中では自由自在だけど、陸に上げるとよちよち歩き)
フィルマもアマレビも評価低いけど、これは見ごたえあった。「潜水艦ものにハズレ無し」という言い伝えを補強するかのような一作。
面白かった!
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