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海にかかる霧のabokadoのレビュー・感想・評価

海にかかる霧(2014年製作の映画)
4.0
世間的には評価はそう高くないけどどんどん引き込まれた。
韓国の闇しっかり描かれています。仕事がなくてお金がなくてだから船と船員を守るために汚職する。この場合密航や密輸なんだけれど。
あ〜よくニュースでやってる密航てこういう感じなのかと、真実を垣間見た気分。
人間行き場のない場所では知らず知らずのうちに壊れ良し悪しの区別がつかなくなり狂気に満ち欲望のままに動く。
一番嫌悪したのは性欲に狂う少し頭が弱そうな男。霧がかかってからというもの話題はそれしかない。
密輸入者と恋に落ちる新人船員ドンシク、この船での正義は間違いなくドンシクだろう。ドンシクの守るものはホンメ、かたや船長の守るものは船と最後の船上での戦い。船長の船への 愛情は悲哀に満ちている。

ドンシクが正義で他は欲に目がくらむ。でもこの作品での一番のマトモな人間はホンメだったように感じる。だからこそあのラストは複雑。
やはり人間追い詰められた時の恐ろしさが半端ない。舞台が船のみで飽きなかったら鑑賞してみるのはいかがでしょうか
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