DJたむりほ

海にかかる霧のDJたむりほのレビュー・感想・評価

海にかかる霧(2014年製作の映画)
3.5
ポン・ジュノが脚本と製作を手掛け、韓国の人気グループJYJのパク・ユチョンが主演を果たした暴力的なサスペンス!貧しい韓国の漁村で不漁と貧困に悩むチョンジン号の船長カンは、中国からの密航者たちを乗船させるという誤った選択をしてしまう。カンを含む乗組員6人があるきっかけでそれぞれの欲が出て狂っていき、霧がかかる船上での殺し合いに発展していくという悍ましい展開っぷり。密航者の女を巡って乗組員の性欲クソ野郎が暴走したり、とにかく全員がキチガイと化す!人間の醜い剥き出しの「欲」「狂気」に、(予想外であるが)恋の「初々しい」要素が入って面白くなっていた。普通の人間が海の上の船上という閉鎖的な空間で追い詰められて精神崩壊していく様がどす黒く、見ているだけでとても息苦しいし、本当にリアリティーがあった。また、美男美女の役者を出してないのも作品の質の良さを際立ててる。しかし、後半からが物足りなくて、ラストまでやり過ぎでぶっ飛んでるし韓国映画なのに少し薄っぺらい感じが期待していただけ残念。(ラストの余韻は秀逸なので好きだが)、2001年に起きた「テチャン号事件」を基にした舞台の映画化なので、ラストまで事件の通りストーリーを進めてた方が面白かったんじゃないかと。この題材で韓国映画なら、もっとエログロじゃないとな。あと、私はこの映画を観て「吊り橋効果」という心理的効果を思い出しましたww。超オススメって程じゃないけど、観るか観ないかなら、観るべき作品だ!!!
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