爆裂BOX

地獄の血みどろマッスルビルダーの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

4.2
古い写真に写りこんだ不気味な顔を調べる為、ある古家を訪れた3人の男女。怪現象が次々襲い掛かり、霊能者の秘められた力が忌まわしい怨念を呼び覚まし血みどろの惨劇を呼ぶ…というストーリー。
深沢真一監督が会社勤めをしながら15年をかけて製作した和製スプラッターホラー。当初は自分で限定製作したDVDだけでしたが、その後フォワードから「完全版」として改めてDVDリリースされTSUTAYAでもレンタルできるように。監督さんのブログで製作の紆余曲折観てただけに素直に「凄いなぁ…」と思います。
筋トレに励む無職の直人が元カノの美香の頼みで不気味な顔が映る写真の現場である父親が建てた古家を美香と霊能者と共に訪れるも、霊能者のパワーで復活した怨霊に襲われるという内容で、3人の男女が蘇った怨霊ゾンビに襲われて血みどろバトルを繰り広げるというシンプル極まりない内容ですが、監督の大好きな「死霊のはらわた」への愛に溢れた正しく「死霊のはらわた」日本版という感じの作品です。
前半はJホラーっぽい雰囲気で進みますが、直人の父が過去に殺して埋めた女の怨霊に霊能者が憑依されてゾンビ化してからゴア描写どんどん出て来てターボ掛かってきます。女の霊に憑依されてオネエ言葉になる霊能者ゾンビはキャラ立ってていいですね。
ゲラゲラ笑いながら首絞めて来たり包丁で切りかかってくる霊能者ゾンビを斧でバラバラにしたり、ショットガンで吹き飛ばしたりする血みどろバトルが楽しいですね。ゾンビもバラバラにされても手と足がくっついて連続キック繰り出して来たり、生首と足がくっついたりと物体Xみたいなクリーチャーな感じになるのも面白いですね。ラスボスの怨霊ゾンビも毒々モンスターみたいな見た目しています。
ゴア描写もスコップで首切断したり斧でバラバラにしたり、ショットガンではじけ飛ぶ頭部やミンチになった肉片など盛り沢山ですね。明らかに作りものと分るダミーヘッドなど特殊効果はチープさあふれてますが、それがまたいい味になっていると思います。コマ撮りも用いているのもレトロ感あって良いですね。
深沢監督自身が演じるナルシストなマッスル主人公もキザなセリフ吐きながらボコボコにされても斧やショットガンで奮闘して、地下室で筋トレ道具発見して「俺の武器はマッスルだぁー!!」と叫んでポージングする所笑っちゃいました(笑)バーベルぶっつけたりするけど決着はショットガンだったな(笑)ゾンビに噛まれた傷口から憑依された美香を傷口から毒素?吸い出して元に戻して「やってみるもんだな」という所も笑ってしまいました(笑)しかし髪型整えるのに使ってた整髪料があんな武器になるとは(笑)威力凄すぎない?(笑)
ヒロインの元カノ美香もキャーキャー悲鳴上げてるかと思いきやゾンビぶん殴ったり連続パンチ繰り出したりと結構肉弾戦で戦っててキャラ立ってましたね。
上記の台詞や「グルーヴィー」「地獄で会おうぜ!」等名・迷台詞も溢れてます。
ラストバトルで生首をショットガンで撃つと主人公達の顔面に血が降りかかる描写や肉片が集まって再生しようとするも溶けていくシーンも「死霊のはらわた」の最後彷彿させますね。あちらほどの気色悪さないですが。
8mで撮影されているため画質粗いですし、超低予算の自主製作だけあってチープさも溢れてますが、それを覆すほどの熱量に溢れた作品です。お好きな人はハマること間違いないと思います。