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地獄の血みどろマッスルビルダーのhideharuのレビュー・感想・評価

3.5
2018.3.7 DVDで鑑賞。
レビュー700本目にあえてこれを選んでみました。

この映画を見ていて一番思うのは諦めなければ夢は叶うって事です。1995年頃から製作に入り完成したのは15年後、更にDVDとして一般向けに発売されるのはその2年後の2012年だとか。
そしてそんなインディの中の更に底辺で頑張った結果、イギリスで17年にDVD発売になりました。
自分もイギリス版で見ました。イギリス版のDVDジャケットはカッコいいですよ。日本版とは雲泥の差です。

監督、主演、脚本、製作とほとんどすべて(撮影以外)をご自身でこなされた深沢真一氏には感服いたします。さらにこれを機に深沢氏のブログやツイッターなども拝見しましたが彼のホラー映画に対する情熱と愛情が語られていてこれまた好感が持てます。
ホラー映画好きなマッチョに悪い人はいないと思います。

しかしここは映画のレビューなので多少甘めではありますが流石に3.5以上は付けられません。
とにかく古いので画像が荒く、演技も素人臭い。その辺も含め全てが「死霊のはらわた」を基にしているのがわかります。

冒頭、昭和40年代のシーンで主人公の父親の服装はまるきりアッシュそのもの、ダンガリーシャツにジーンズで笑えます。

そして時代は現代に、と言っても90年代半ば。携帯電話が鳴っているのにも構わずダンベルで筋トレをする後ろ姿、それは無職青年の直人この物語の主人公。
元GFの願いで心霊写真の撮れる直人の実家に霊能者と3人で訪れますがそこで怪奇現象に巻き込まれます。
たった3人の「死霊のはらわた」の始まりです。トタンとベニヤで出来たような廃屋ながらマッチョが殴っても壁に穴一つ開かない。グロシーンはかなりチープでそれを笑いでカバーしています。
すこし「死霊のしたたり2」も入ってきます。

演技が下手ながらいちいちセリフのたびにキメる直人が笑える。それだけでなく顔芸もなかなかのものですよ。
芸人の斎藤さんにカツラをかぶせた感じなんですが(深沢氏本人もブログで言及)キムタクにでもなったつもりなのでしょうか。

そしてマッチョが闘うのならと武器はダンベルとひと昔前の少年誌の広告にあった簡単に体を鍛える器具(商品名は失念)で応戦します。
ラストはホラーのお決まりでいかにも続きがありそうな、で終わりますが続きを見ることができるのでしょうか?

誰にでもお勧めできる映画ではないですがホラー映画や「死霊のはらわた」が好きなら一度見ていただきたい。出来ればDVDを買って。そして深沢真一氏に続きを製作するチャンスをあげて欲しいです。

ちなみにイギリス版には特典映像として予告編2種類と撮影の様子を少々、そしてフォトギャラリーだけで氏のロングインタビューは収録されていませんでした。
残念です。
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