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誰でもない女のniのレビュー・感想・評価

誰でもない女(2012年製作の映画)
4.2
ナチスにより悲惨な目にあったドイツ人やユダヤ人の映画は何本か観たことがありましたが、そんなノルウェー人についての作品は初めてだった。

レーベンスボルン(ユダヤ人絶滅とは対照的に、アーリア人の増殖を目的として作られたノルウェーにあった施設)で生まれた子供の、悲惨な運命。本当の家族を知らず、ずっと正体を隠して生きていくしかなかった主人公の運命が残酷すぎて辛かった。レーベンスボルンという言葉はなんとなく聞いたことがあったぐらいで、全然何のことだか知らなかったのでとても勉強になった。

ノルウェーではドイツ兵との子供を産んだ女性がナチスに対する協力者として迫害されていたようで、ベルリンの壁崩壊からしばらくした時に、レーベンスボルンの被害者たちが訴訟を起こすのだけど、それは主人公にとっては正体がバレる危険性が高くなること。主人公の辿った道と、主人公が母親としていた人物の本当の娘がどうなっていたのかが余りにも残酷、、
なんとなく平和なイメージを持っていたノルウェーだけど、壮大な過去があったことに衝撃を受けた。
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