人肉を食らう芋虫、に寄生された男。彼の体内でモゾモゾと蠢き、ついにその口から生まれ落ちる餓鬼ちゃん。もしかしたらこれはカワイイぞ。
奇しくも、お腹を痛めて生まれるその過程は人間の赤ちゃんとシンクロする。なるほどだからカワイイのか(?)。
それをまさか食べるなんて、クレイジーな展開。正直、話の行き着く先がまったく予想できない。
ただ生まれ落ちてしまっただけなのに、捕らえられ、忌避され、食べられる、餓鬼ちゃんに何を思えば良いのか。
餓鬼のかわいさに惚れ惚れしつつ、人間の底知れぬ欲望に恐怖する。映画そのものの妙なバランス感覚がクセになる。
バスケットケースのベリアルに似た、その姿で生まれてしまったが為の悲しき運命を感じる。
餓鬼ちゃんだって生きている。
