ひーす*

この国の空のひーす*のネタバレレビュー・内容・結末

この国の空(2015年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

原作の小説は半分まで読んだところで、見に行きました。

長谷川博己さん目当てで見に行きましたが、
二階堂ふみさんの演技力素晴らしいです。二階堂さんの作品はほぼ見たことなく、資生堂スノービューティのショートムービーくらい。

二階堂さん、ほぼスッピンなのでしょうか?特別美人ではないですが、漂う雰囲気が大人ですね。とくに、神社のシーン以降、ものすごく色っぽく可愛いと思いました。
あと、佇まいや話し方が昭和です。平成生まれと思えない。役作りも昔の作品を見てお勉強されたようで...20歳そこそこの女の子ではなく、プロの女優さんなのだと。

母親役の工藤夕貴さんもいいなぁと。どちらかというともう少し若いイメージで、洋風な雰囲気だと思いましたら、しっかりと母親感がありました。川原でブラウスを脱ぎ堂々と身体を拭くシーンは美しいと感じました。

それと対比し、二階堂さんの庭先で全裸で身体を流すシーンもドキッとしました。細々とした今時のモデル体型ではダメですね。ふっくらしてきた19歳の若い姿、雰囲気が女性としても美しいと感じます。

長谷川さんは、髭を生やし、時代の雰囲気を出していらっしゃいます。長身で細くスタイルがいいので現代的ですが、抜群の演技力で渋い戦時中の市毛を演じられていたのではと思います。会話をしている時は、真面目そうな銀行員という感じですが、やはり冒頭から目線や神社のシーンの所作などは肉食的な男性でした。ギャップいいです。とくに、トマトを頬張るシーンは、戦争という時代でいつ死ぬか分からない中で、生きたいという意味ともに、里子への欲を感じられます。

また、比較的に食べるシーンが多いです。たんに戦時中だから食べ物がないというだけでなく、食べることで生と死というテーマを暗に含んでいるのかな?と。

予告などでは、官能的なものを売りにしているようですが、実際見てみるとピュアな19歳の気持ちが描かれていると感じます。母親が、市毛と里子の仲を心配している様子も含めると、大人のドロドロした愛とは違った感じで。


これから私の戦争が始まる、というような最後のテロップ、ストップモーションは謎でした。あんまり映画は詳しくないですが。全体通してのメッセージとちょっとニュアンスが違うように思います。

BGMも控えめですが、ヴァイオリンの響きが印象的です。役者の演技が光る映画です。
ひーす*

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