天下の超かぼちゃ王大将軍

クレイジー・ドライブの天下の超かぼちゃ王大将軍のレビュー・感想・評価

クレイジー・ドライブ(2014年製作の映画)
4.5
『お前やっぱ最高だよジョー・カーナハン』

ジョー・カーナハン監督の新作で、有名俳優起用しながら、
ユニバーサルスタジオの判断により、一時お蔵入りになった作品です。

結論から言えば、チキンで有名なユニバーサルスタジオが、
「高尚な私たちはこんなお下品な作品作らないでザマス、オホホホ」
と、腰引けて公開できなかっただけで、作品のクオリティは間違いなくカーナハン。

FOXなら公開してた。

お口に合わない方は多くいらっしゃると思うザマスが、
そういう方は、どうぞディズニーの「死んでレラw」でも見ておいておくんなましざます。
不思議な一夜という共通点で、そちらの方がいいんじゃないかざます。

さぁ、「私にはチ○コもマ○コもつてない上、ウ○コなんてもんもしないザマスYo!」という、高尚な方以外、この下世話な糞話にお付き合いいただくのも一興かと。

何分、ハリウッドという、ある種定型で、
ある種分かりやすく、ある種安定した内容の作品を望むならば、敬遠された方がいいかもしれません。

自分の事を「俺バカですw」って認められる頭のおかしい方、
いっしょにこのバカワールドを楽しみましょう。

主人公は、頭の悪い恋に破れ、
傷心の中、頭の悪い夢に破れ、
しかし、バカ一直線で、自分が負け犬であることを認めず生きている男。

自分の生き方に微塵も後悔なく、成功まっしぐらな方、
もしくは成功のビジョンしか見えない、負けをしらな百戦錬磨な方。
ここで脱落です。どうぞ。マッドマックス面白いですよ。マジで。

さ、この負け犬の低い関門を潜り抜けた方。
自分は頑張って生きてきたが、生き方に切なさを覚えている方。
合格です。観ましょう。

主人公は俳優志望の、俳優崩れの、今は結局リムジンの運転手。

しかし、その会社も今やライバル企業の勢いに押され倒産寸前。

借金取りからは金の催促。

しかも、今晩とか。

しかし、男が狙うのは一発逆転の満塁HR。

大口の客に取り入り、チップで高額な借金返そうと、
最後の一晩を躍起になって働くわけです。

出会ったのは一人の顧客。それは一人の変態。

希望を叶えれば、借金分をチップで払ったるという甘い言葉に誘われ、
踏み入れたが最後、もう、犯罪に継ぐ犯罪。

しかし妙にポジティブな主人公。

逆境でこそ芽生えた発想。機転。

結果迎える結末は如何に。

お下品、お下品、あーんど、お下品。

バカな奴が考えたバカなシナリオで、バカなトークにバカ笑い。

人間、そんな完璧じゃないですやんw

と、気詰まりした人に贈る、ひと時のお下品ファンタジー。

さぁ、この作品で自分の本性を再認識した後、
しゃきっとしてまた明日も仕事に行きましょう。

まぁね。そんな作品。

カーナハン作品知ってるなら、
スモーキン・エースの空手小僧のノリが延々だと思ったらイイ。

個人的にやっぱねぇ、ユーモアのセンスが光るね。カーナハン。

カーナハン監督自体、アメリカンだけど、
これどっちかっていうとイギリスに近いよね。
イギリスXアメリカって感じかね。

会話のセンスがイイ。

映像のテンポもいい。

アメリカンジョークって言うけれど、多分ちょっと違うと思う。

シニカルな笑い。

作品自体がジョークみたいなもんだけど、
けど、カーナハン作品にあるのは、妙な人間性。

ここを押さえるのは流石やね。
下品なジョークは隠れミノ。

本音の部分の人間性。
この人間味は演出力とかそういうんじゃなく、人柄だと思う。
映画で人柄感じるのは、トニスコ以外、今のところカーナハンだけやね。

他は皆、アーティストであったり、エンターティナ―であったり、
職業的な部分が先に立つけど。

面白かった。

やっぱ、カーナハン監督には映画撮ってもらいたい。
最高。

日本ではDVD版しか販売しないけど、
海外版のBDに日本語が入ってる。
BD欲しいなら、輸入盤おススメ。多分、日本ではBD出ないと思う。

ま、カーナハンファンの間で楽しみましょうや。