豚肉丸

トラッシュ・ハンパーズの豚肉丸のレビュー・感想・評価

トラッシュ・ハンパーズ(2009年製作の映画)
3.5
ゴミとヤる人たちのお話

全編不快感MAXすぎて見るのが辛かった。登場人物たちがしている行動は(一部を除いたら)そこまで悪いことはしていないので、そこまで身構える必要は無い。が、不快なのは行動ではなくて、映像。とにかく映像を見るのがキツすぎた。一時間弱と短いですが、悪夢のような映像がずっと流れるので短くてもキツい。
特にキツいのがカメラマンの笑い声。赤ちゃんの泣き声のようにめちゃくちゃ高い声でずっと笑うもんだから、見てるこっちからするとずっと赤ちゃんが泣いているようでとても不快。いちいち癪に触るような笑い声がずっと聞こえてくるのは本当にキツかった。

映画的にはまあ普通。映画というよりホームビデオにしか見えないが、しっかりとオチはあったので一応映画なんでしょう。
似たような映画でラース・フォン・トリアー監督の『イディオッツ』がありましたが、『イディオッツ』とはまた違う。あの作品は健常者が障害者のフリをするのを楽しむ映画でしたが、この作品は本当の障害者の生態観察ビデオ、という感じ。ストーリーは無いし、やってることと言えばゴミ箱や木に向かって腰を振ったり、他人と話をしたりするくらい。
なので個人的には『イディオッツ』の方が好みかなぁ…あの作品にはしっかりとストーリーも見せ場も映画としての面白さもありましたし。
期待値を下げて「やべー奴らの観察ビデオ」と思って見るとまあまあ楽しめるかもしれません…
あと、オチはまあまあ好きです。
異常者に吹っ切れた人と、理性が少しでも残っている人の違いって『イディオッツ』でも描かれていましたが、こういうのは普通に好きです…

人形に向かって「殺してやる!」と言いながらハンマーを振り下ろす少年は衝撃でした。
豚肉丸

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