うえびん

エレナの惑いのうえびんのレビュー・感想・評価

エレナの惑い(2011年製作の映画)
3.2
空虚感

モスクワの街の風景には空っ風、登場人物には空っぽの心を感じた。

エレナの夫がジムに行く場面で、急に神妙なBGMが流れ始めたので、物語の急展開を予測したんだけれど、そうでもなく、事件が起こる前も後も、最後まで淡々とした印象で終わる。

他のレビューにもあるように、ロシア版『パラサイト』って感じの物語。韓国版は、衝撃的なストーリー展開と過激な描写に感情を揺さぶられた。ロシア版は、感情には訴えてこない、湿度が感じられない、だから心に何かが残る。空っ風や空っぽの心…不思議な作品。
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