ひでG

エレナの惑いのひでGのレビュー・感想・評価

エレナの惑い(2011年製作の映画)
1.7
「ジョーカー」を観た時、後ろの席のカップルの女の子が明るくなった途端に
「超〜暗い〜!救いようない〜」って、叫んでいらしたが、

「おい、おい、そーゆー映画って、みんな知ってて観に来てんだよ!」て、ツッコミたくなった。😁

でも、暗さと救いようのなさでは、ひょっとしてこっちの方が上だと思う。

「ジョーカー」は、救いようのなさを全ての映画的効果をフルに使い、見事に見せ切っているのに対し、

この作品は、救いようのなさを淡々とワンカット長回しで、つまらなく!観せていくので、もう心の逃げ場はなく、後味も悪く、ほんとに嫌な気持ちで終わります。

主の登場人物がみんな不快で心底嫌な奴です。

嫌なら嫌で徹底的だったら、まだこっちの気持ちを対峙させることができるのですが、それもできないのです。
だって、日常を淡々と描くから。
ファーストシーン。エレナの起床から朝食までを15分くらいかけて見せます。
私の朝の支度の方が速いかもしれません。😁


邦題が「エレナの惑い」とありますが、
少なくとも、惑った末に彼女がやったことが無になっていく様をもっと極端に見せて欲しいくらいです。

あの終わり方は、なんちゅうか、人として許せない終わり方です。
思い出しても、嫌な感じしか出てこない映画もちょっと珍しい。

「マザー」や人肉食べる少女の映画も不快でしたが、あれらは不快を売りにしているので、まだ振り切っている感はありました。

長回しで、どうでもいいことを撮っていく手法は、カメラが神の存在で、悪事も見てるよ、と言っているのでしょうか。
ちょっとよく分かりませんが、、

映画が全て道徳的である必要はありませんが、あんなことをあんな奴らのためにしていいんかい!おいらは許さんぜ!的な直接的なもの、そーゆー視点は欲しいな。

未見の方は分からないでしょうが、
私と一緒に、最悪の後味を堪能したい人はご覧になってください。

後味だけでなく、全編つまらないですが、そのつもりで。
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