sk

草原の実験のskのネタバレレビュー・内容・結末

草原の実験(2014年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

あまりにもセリフが無いから字幕の設定を間違えたかと思ったけど、結局最後まで誰も一言も喋らなかった…

何の予備知識も無くおすすめに出てきたからなんとなく観始めたけど、正直あんまり状況も意味もよくわからないのに、全体に漂う不穏な空気とアート映画のような画力とあまりにも美しく儚げな少女の目力で最後まで観入ってしまった。

ラストの衝撃にしばらく茫然とした後、今作の元となった核実験場について調べてみたけど、閉鎖された1991年までに行われた核実験は合計456回、周辺住民への告知などは行われず、むしろ人体実験としてわざと人を滞在させたりもしていたとのこと。

少女の家の壁には大きな世界地図が貼ってあって、日々外の世界に思いを馳せる。
父の死後、1人で家を出た少女はここからどこにも行けないことを思い知る。
これまで親しくしていた地元の少年の求婚を拒否して白人青年を選んだのは、外から来た彼に自由を見たからかな?
父を失い、三角関係に決着がついて、慎ましく穏やかな日常がまた始まるのかと思ったところに全てを破壊するあの出来事。

観た後に意味や背景を調べてしまう訴求力があるから、この事実を世に知らしめるという意味でも有意義な作品だと思う。
sk

sk