オムレツP

ガルム・ウォーズのオムレツPのレビュー・感想・評価

ガルム・ウォーズ(2014年製作の映画)
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2つの部族が終わりのない戦争を続けている惑星を舞台に、偶然にも世界の秘密を探求する事となった女戦士一行の旅路を描いたファンタジー映画。
押井守監督の幻の超大型プロジェクト『G.R.M』が基盤となっており、ファンにとっても監督にとっても念願の映像化だと思われる。

押井守的要素の含有量は相当濃い仕上がりとなっており、
過去監督作品で描かれたり言及された要素が多く読み取れる。
『スカイクロラ』のような戦う為だけに何度も生れ変わる登場人物たち、『攻殻機動隊』で描かれた自身のアイデンティティへの疑問。『ビューティフルドリーマー』のような箱庭の中で延々と同じ狂騒を繰り返す人々、そして、犬。

ファンタジー映画としては割と正統派なストーリーで、色々あって集団から離れてしまった主人公が謎を秘めた人物に導かれて、本来殺し合う関係で対話する機会などなかった相手部族の戦士と成行きでパーティーを組み、旅をすることになるというあらすじ。

本作の予算規模でガッツリとファンタジー映画を撮るのは大分厳しいのは否めず、ストーリーは「これから大きな事が始まる…」という触りの部分までとなっており、登場人物もごく限られた人数に絞り込まれている。
それでも少しでもリッチな画になるように可能な限り映像に手が入れられており、かなり健闘しているのではと感じた。
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